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うめぞー、思案中

明日は歴史作家「うめぞー、執筆の合間に思案中」

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ある方がある研究書を読まれて、その内容について少し触れている一文を拝見しました。
う~ん、この類は決して珍しくもないし、私はあまり口を挟みたくないのですが、やっぱり研究者の方も人間ですから、贔屓不贔屓が諸所に見られるようで、文書部外者の私のような者でも、変、それって偏見かも知れないと思う箇所もあるんですよね。
偏見とか色眼鏡は、私のような物書きには往々にしてつき物なのですが、研究者にこれをやられますと、私も含めたド素人は鵜呑みにしかねないσ(^◇^;)
誰とは言いませんが、何処かの名誉教授とか、元教授(つまり故人です)の先生方に散々に引っ掻き回されましたわ……(~_~;)

私がとある方の感想で気になったのが、藤原永手が『橘奈良麻呂の変』に関わった事についての内容でして、この方の読んだ研究書の著者の方は、永手がかなり強硬な尋問をした挙句に云々と書かれているようですが、これってどうなんでしょうねぇ。
私はこの辺りの話を書いた経緯もありまして、『続日本紀』の内容はコギツク検討したつもりだったのですが、文書やさんには穿った見方は御法度なのでしょうか、こんな単純な読み方で良いものなのかしら……私のような与太な物書きには疑問に思えてしまいます。
記憶違いでなければ、この著書は万葉文化館の図書室に半日篭って読んでいたけれど、あまり得る所がなかったので、コピーも取らなかった類だったような……今日も失礼な奴(ーー゛)
う~ん、私の読み方が悪かったから、永手が直接に詰問に携わったように思えたのかしら。
永手は命令する側であって、実際に手を下すというか、とやかく言うのは更に下の人になると思うのですけど……そりゃ、同じ部屋にいる場合もあるかもしれませんけどねぇ。

確か、この謀反未遂事件の尋問官は途中で変わっているはずです。
最初こそ、藤原豊成藤原永手坂上犬養らが中心メンバーだったのですが、この面子の行った尋問はおそらく心理戦に近いものだったと思われます。
だって、右大臣豊成は息子がこの未遂事件のサイドにいるんですよ。
これによって失脚が待っている人なのに、この人の関与を尋問官側が気づいたとしたら、そちらの配慮をせにゃならんのですよ、中納言永手ほどの策略家となれば。
永手は割合に温厚な常識人(勝手な私の思い込み?)、しかし藤原北家の惣領は事件解明と並行して、自らというか派閥や自家の優位な方向を探っていったのかもしれません。

そして粗方の流れが掌握できた所で、喚問は太政官の手から兵部省サイドに引き渡されて、これこそ目を覆うような拷問が始まるはずです。
こちらの主要メンバーは、百済王敬福船王……バリバリの武官ですがな(・_;)
思うに『続日本紀』がページを割いて、女帝や皇太后が臣下らに言葉を下している段階では、ここまで来ていないのではないのでしょうか。
一番最初には首謀者たる橘奈良麻呂の名前すら出ておりませんから、この事件の経緯はかなり細かく当たって行かないと、表面に出てこない部分が多いのですよね。
故左大臣橘諸兄の関与や、陸奥守佐伯全成の調書なんて、その典型です。

……で、私はこの事件の前哨戦みたいな話をこれから書こうとしてるんでして(*_*;
この話でかなりパニックった覚えがあるので、今度の話しも一筋縄じゃ行かないはず。
だから、同時並行で幾つの事が水面下で進んでるんだ?
それを主人公や周辺の連中が知る切欠は……知恵熱出そう、インフルエンザ以前に(-"-)

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無題

うめぞー様、こんにちは。またしてもお邪魔してしまいました。研究者の方の論文というのは普段あまり読まないので、「論文だとこういう風に書かれてるんだなあ」と目新しくて面白く思うこともあるのですが、やっぱり贔屓(?)と言いますか、偏った点などもどうしても出て来るのですね。
私も、永手自身が過酷な尋問を行うような人なのかについては疑問なのですが(常識人というイメージが強いので)、とりあえずそういう見方もあるのだなあと思った次第でした。たぶん、その前に読んだ小説での書かれ方が気の毒だったので、それよりはそちらのほうがまだ納得いくかな…という感じで(笑)。とりあえず、奈良麻呂憎しなどという単純な感情で、拷問死に追い込んでしまうような単純さで割り切れるような事件ではないということですよね。

それにしても、歴史を扱うとなると、その人物の生い立ちから立ち位置からすべて考えて描かないといけないんですよね…。うめぞー様はいつもすごく細かい点まで考察して書かれているので、もう私のようないい加減なモノしか書いてない人間には、「とんでもないものに手を出してしまった…」と今更ながら冷や汗ものです(笑);
Re:永手は(白壁王よりは)常識人だと思います(^^ゞ
今晩はm(__)m
我ながら偏見丸出しの物言いで恐縮です(-_-;)
実は私の周囲には、これからこういう論文(史学ではなく考古ですが)に取り組もうという可能性の若い人達が若干いまして、やはり彼ら彼女らが変な流行に捕らわれているのが、何となく腑に落ちないんですわ。
私のような部外者が言うと怒鳴られそうですが、学説って結構、流行があるみたいなんですよ。
考古みたいに様式論の強い部門は、特にそれが目に付きますかねぇ……なんてのを知り合いが読んでいたら、絶対に白い目で見られそうσ(^◇^;)

私が変に細かい所を気にするのは、はっきり申しまして性癖みたいなもの、言い方を変えると病気ですかね(ーー;)
ただプロの小説家の方でも歴史モノを書かれた時に、あまり史料に当たっていないなぁと感じる方は、少なからずおられます。それがスタイルだとか、そんな事を書きたい訳じゃないからと開き直られたら、こちらの知った事じゃないって感じですけれど……素人にはこういう輩は多いです、得てしてε-( ̄ヘ ̄)┌ (あっ、これも私の事??(・・?)
「私の書く話のコンセプトは、謀れ、企め、殺れ」だと以前に友人に話したら爆笑されました(-_-;)
今更ながらにこういう奴なのですが、実はお気楽な話が書きたいという願望が随分以前からありまして、まさに『天平冥所図会』のような雰囲気にチョッと憧れています。でもうちの連中は詰めが甘いくせにシャカリキのイノシシになるし、頭が悪くない割には年を取っても好々爺にはなれません(T_T)
官界に返り咲いた白壁王は、あの話に登場する永手に似ているかもしれません。
さて、こういう体たらくな作者から、どういう作品が生まれるものやら……いずれ何処かで日の目を見る事を日々祈りつつ(゜.゜)今年も暮れるぞ~!
おまえは誰か
HN:
うめぞー
性別:
非公開
自己紹介:
明日は歴史作家!

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