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うめぞー、思案中

明日は歴史作家「うめぞー、執筆の合間に思案中」

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こんなロケーションです。相変わらずの下手くそなパノラマ合成写真ですが、三輪山を借景にしたこの場所が、先日から新聞やテレビで報道された、桜井市の纏向遺跡の現場です。
この場所は周囲よりホンの少し高い、いわゆる微高地ですので、弥生時代には集落などが営まれるには適した場所になります。

これが弥生後期最大級の建物です。こちらの画像が、ニュースでも取り上げられていた、弥生時代の後期では最大級といわれる建物です。
桁行は四間ですが、一間が4.8メートルとやたら長いので床を支える束柱が間に入り、一見八間のように見えています。
梁行は古墳後期の溝に切られているため、二間分しか検出ができなかったのですが、いろいろな例を参考に四間に復元されています。
したがって復元したサイズは南北が19・2m、東西が12.4メートルの総柱建物となります。


この建物の西側に、南北両側に棟持柱を持つ建物(二間×三間に復元できる)が検出されていますが、この二つの建物は中軸線が揃っています。
見学の人であふれてます。相変わらず下手な合成の写真ですが、これが棟持柱のある建物ですね。
調査区の上、右端の見学の人たちのすぐ前に並ぶ四本の柱は、昨年度(今年の三月に現説が行われました)で検出された柱列で、今回に検出された柱列と対応するために、建物だと分かったという訳です。

更に西にはやはり前回の調査で発見された建物と柵列があり、これも今回の二棟の建物と同じ軸の上に乗って来ます。
更に西には昭和53年の調査で検出された建物の一部らしき柱の列もありますので、同じ中軸線をそろえた四棟の建物が東西に並ぶ事が想定できます。
これがほぼ東西の線に乗っているのですから、正方位を意識した建物群としても最古の例となります。

この微高知の南北には旧河道が存在し、東西に長く伸びる場所を三世紀の前半に整地し、これらの建物を建てたと考えられます。
しかし大きな建物の柱には抜き取り穴が見られ、その埋土には三世紀中頃の土器が入っていたり、やはりその頃の土器を含んだ溝が柱穴を一部壊しているので、三世紀の中頃には建物は既に無くなっていた事になります。
まぁ、掘っ立て柱ですから、そうそう長い時期に亘って存続もできないでしょうし、無難なところでしょうか。
ところで後で疑問に思ったのですが、これらの建物群、正面はどちらなのでしょうか?
西の方向に盆地が開けているので、こちらかと思うのですが、日の沈む方向よりも登る方向の方を重視したいと考えるのは、この時代には通用しなかったのかな?
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邪馬台国

すごい建物が出てきて、一気に邪馬台国近畿説が有力になった感がありますね。
しかし吉野ヶ里の近くに住んでいる者としては、あくまで九州説に肩入れしたいところです。
こうなると頼りは魏志倭人伝です。
あの記事を素直に読めば、どうしたって九州の風物を描いているようにしか見えません。
うめぞーさんのご意見はいかが?
Re:邪馬台国よりもヤマトなの
今晩はm(__)m
う~ん、はっきり申しますと私は『邪馬台国』論争に殆ど興味がないので、大和でも筑紫でも、奄美大島か沖縄でも、はたまたインドネシアでも良いんですよね(^^ゞ
そもそも邪馬台国自体が『魏志倭人伝』以外に載ってないのですから、考古屋の云々する事でもないような……だからと言って文献屋の仕事かと申しますと、やっぱり史料不足ですしねぇ(-_-)

私は極めて不勉強で、『魏志倭人伝』の内容を吟味したことがありません(~_~;)
“倭国大乱す”というくだりが何処に出てくるのかも、はっきり知りませんので、その部分と女王国のくだりに時間差があるのか、同時並行で起きている事なのかも分かっておりません。
貫頭衣を着て海に潜って漁をする刺青のある人達が女王国の臣民なのか、別の国の者たちなのか、こういう具体的な内容を全然知らないんですね。
この辺に関しては、本当に無知なのが今更ながらに分かりますσ(^◇^;)

この類はマスコミがやたらに大衆受けを狙ってアピールするのですが、現場担当者はまず云々しません。
桜井市教の橋本技師も、出土遺構や遺物に関しての結果報告はしていましたが、文献資料との兼ね合いには話を広げてはいませんでしたしねぇ。
纏向遺跡の調査は全体の5%程度しか済んでおらず、全容が解明する頃には、今ここにいる誰もが生きていないでしょうと、笑いを取ってはおられましたけれど^_^;

吉野ヶ里では時代が少々違い、纏向では記述に沿わない部分も多い、私としてはやっぱりどちらでも良いかなぁ……ε-( ̄ヘ ̄)┌
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明日は歴史作家!

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