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うめぞー、思案中

明日は歴史作家「うめぞー、執筆の合間に思案中」

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実は登り大路を東へ向かうまで、殆ど行く気のなかった『グレイトブッダ・シンポジウム』に午後から行って参りました。
本当に行く気ならば昨日の時点で参加していたか、少なくとも今日の朝から参加していたはずなので、やはり気が向かなかったのは確かなのでしょう。
何せ一昨年に参加した時には、講演の内容が殆ど理解できませんでしたから。

今年のテーマは『東大寺二月堂 修二会の伝統とその思想
曲者は思想でしょうか……仏教教義の話となると、私のような無学な者には何のことを言っているのかすらわかりません(*_*;
しかし二日目の午後の部は、『二月堂小観音の図像』という文書中心の講演から始まりまして、次が『中古~中世文学に見える東大寺』というタイトル、更に『二月堂の炎上と再建―東大寺江戸復興の一段階として―』と続きました。
おそらくもらったレジュメの内容から考えるに、この辺りが私には何とか理解できる範囲の講演のようです。

現在、東大寺二月堂には二体の十一面観音が絶対秘仏の本尊として安置されているそうです。
いえ、本尊は大観音と呼ばれる仏様の方ですね。
しかし、この仏様、寛文七年(1667年)二月の火災によって焼け落ちて、秘仏ゆえにその後すぐさま御簾で隠され、新たな厨子に納められて現在に至るようです。
この大観音の光背は現在、奈良国立博物館の常設展示に出ておりますので、ご存知の方も多いはずです。
光背があのように無残な状況ですので、ご本尊も推して知るべし……
一方、小観音は御僧侶が抱えて救出したそうで、無事に現在に至るそうです。
しかしいずれの観音様も、今に至るまで東大寺の御僧侶方も見た事がないとのことです。
ところがこの絶対秘仏の小観音の画像と考えられる絵図が残っているそうで、一体いつからこれらの仏像は絶対秘仏とされたものなのか、その辺りを探るにもはっきり示されている史料はないようです。

ところで奈良に住んでいる人ならば『お水取り』は、三月十三日の未明に行われる行、練業衆の足元を照らす『お松明』は、一日から十四日まで毎晩上がるものだと理解していると思います。
ところが県外の人の多くは、『修二会』そのものを『お水取り』、そして『お松明』が二月堂に上がるのは一晩だけだと勘違いしているようです。
では『お水取り』という言葉自体がいつから使われるようになるのか、これは思いのほか新しそうです。

芭蕉の有名な句 ~ 水とりや氷の僧の沓の音 ~ 氷ではなく籠りとする方が一般的ですが、芭蕉の自筆の書が残っているそうで、ここでは氷の字を当てているそうです。
それはともかく、この句によって『水とり』の言葉は定着しているように思えます。
しかしそれはやはり、若狭井から水をくみ上げる行であって、修二会そのものを指している訳ではありません。
『修二会≒お水取り』の概念は、明治から大正時代くらいに新聞の記事などに混同が見えるそうで、この辺りから始まっているようです。

まあ、このような内容ならば私でも充分に理解の範疇です。
しかし、仏教伝来から千数百年、仏教に限った事ではないと思うのですが、宗教の教義というのはどうしてここまで、衆生にとって理解不能なほど煩雑で小難しいものになってしまったのでしょう。
奈良時代の後期や鎌倉時代に、もっと一般人でも理解できる仏の教えをというコンセプトで、寺から出て教えを説いた僧侶がおられましたが、現代では宗教そのものを一般の人たちはどのように見ているのでしょう。
この辺、私自身も実のところ良く分かっておりません(~_~;)
……にしても、大学の構内で御僧侶がウロウロしている(失礼な物言いだなぁ)のは何となく変ですね、東大寺の境内なら当たり前だと思うのですけれどね(・.・;)

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