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うめぞー、思案中

明日は歴史作家「うめぞー、執筆の合間に思案中」

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涼しいです。上り大路を挟んで、奈良国立博物館の前、色鮮やかな赤い鳥居と池があります。
鳥居にかけられた扁額は『氷室神社』、文字通り、この場所に昔々、氷室があったためにこの神社ができたようです。

ここは奈良で一番最初に開く枝垂桜の花で有名ですが、全国の製氷業者の信仰を集めている事でも名高いそうです。
その枝垂桜の木を右手に見て階段を上って門から入ると、正面に神楽殿があり、その向こうに赤い社殿が覗いています。

この画像で見るよう、この暑い盛り、屋根の上から霧を吹き、毎日、奉納された氷を神前に供え、そのお下がりを参拝者にカキ氷にして振舞ってくれます。
とてもありがたい事です(^^ゞ

手水の隣にあります。さて、タイトルにある『鷹の井戸』はこちらの画像です。
鳥居をくぐって少し進んだ右手側、手水場に並んで、このように彫られた石製の井戸枠があります。

これには『鷹乃井』とありますね。

そもそも『鷹の井戸』というのは、ウィリアム・バトラー・イェイツの戯曲です。
これが近代になって創作能として上演されるようになったのですが、あいにく私は見た事がありません。
観世流だと『鷹姫』だったでしょうか。
不老不死を求める老人と伝説など信じない若者が、鷹の乙女の守る井戸の前で鉢合わせて……
詳しいストーリーを知りません(^_^;)
これの元になったのは、どうやら謡曲の『野守』のようです。

飛火野の鹿の群れ旅の僧が“野守の鏡”の謂れについて老人に尋ねると、老人は昔話に鷹狩の鷹を見失った天皇の話をします。
「鷹は池の中にいる」
不思議に思って池を覗くと、木の枝にとまる鷹の姿が映っている……この池を“野守の鏡”と言うと、老人は語って姿を消します。
そしてその夜、僧の前には野の神が現れ、人の心を映して見せるという“野守の鏡”を示すのです。

どうも謡曲のストーリーというのは、謂れが分からないと意味不明のところがありますねσ(^◇^;)
“野守の鏡”は古来、人の心を映すものという伝承があって、謡曲にはこれも取り入れられている訳です。
そしてこの物語の舞台は、奈良の飛火野だといわれています。
“野守の鏡”の池は、今の奈良国立博物館の辺りにあったとされます。
だから、すぐそばの『氷室神社』が、謡曲の『鷹の井戸』と関連付けられたのかもしれません。

この井戸枠に『鷹乃井』の文字を刻んだ人って、お能や演劇に造詣の深い方だったのでしょうか。
それとも全然別の伝承が、この地にあるのでしょうか。
学生の頃に『春日芝能』で、この『野守』を見た事があります。
満月から何日もたたない月の明るい晩で、白頭(本来は赤頭)の後シテが大きな銀色に光る丸い鏡を掲げて舞っていたのを覚えています。
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