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「かつて父上が左大臣から皇太后に乗り換えたように」油の瓶を卓上に置いて、こちらを見もせずに更に続ける言葉は、抑揚も感情も籠もらない。
「だが、父上は皇太后には信頼されなかった、ある理由で」
当然、その理由を知っている兄は前を向いたまま小さく頷いた。その視線の先では犬のような可愛げのある顔をした獅子が、美女のような文殊菩薩を乗せて四肢を踏ん張っている。別に風貌が似ている訳でもないが、この獅子と菩薩の組み合わせは、何となく故左大臣と皇太后を思い出す。あの二人は父親を異にする兄と妹だったはずだ。
「その事で今度は汝が大師に利用されようとしているのではあるまいか」菩薩に向いたまま、やはり呟くように言う。
ワードの文章を貼り付けますと、何やらフォントがバラバラな気が致しますが……(-_-;)
このルビを消去する事も出来ないし……(・・?
さてこいつはいつものように、開成親王とうちのスメラミコトの会話ですね。
場所は唐律招提寺の食堂です。
食堂の御本尊は賓頭慮尊者……いえ、文殊菩薩だそうです。
別にこの会話がどうだって訳じゃないのですが、かつての話の中で、橘諸兄(故左大臣)の息子の奈良麻呂の風貌を社の前の狛犬に似ていなくも無いなどと書いた事があります。
現在の狛犬は神社の前で、口を開いているのと閉じているのがペアになっていますが、平安時代くらいまではそれが角のあるやつと無いやつのペアになっていて、それぞれが狛犬と獅子と呼ばれておりました。
現在に残る古い物を見ても、角の有無や耳の形のように細かい違いはあるようですが、概ねは同じような姿をしているんですね。
それはともかく、獅子にしても狛犬にしても、決して男前という意味ではないんでしょうねぇ……
うちの設定では橘朝臣親子は、むしろオモロイ面構えだったんでしょうか?
自分で書いておきながら、今更気がついただけの事でしたσ(^◇^;)
きのううめぞーと