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伝香寺は奈良市にあります。
近鉄奈良駅からは歩いて五分もかからない所ですから、かなり行き易いのですが、観光スポットとしてはやや地味でしょうか。
先の記事では『散り椿』の紹介をしましたので、今度はこちらの仏像を紹介致しますm(__)m
伝承では奈良時代に鑑真和上の弟子の思託律師が創建したといっているそうですが、それらしい証拠の史料も無いそうです。
むしろこちらは筒井順慶の菩提寺として有名で、戦国時代にその母親によって再興されたそうです。
お堂はその時の物で、重要文化財に指定されています。
こちらのご本尊は地蔵尊かと思いきや、実は背後に座っておられる釈迦如来で、光背の銘文によれば、椿井仏師の宗貞が酉年(1585年)に造ったそうで、太閤秀吉の方広寺の大仏の試みとも言われているとの事をボランティアガイドの方から伺いました。
有名な『裸地蔵尊』は客仏で、明治の廃仏毀釈の折にこちらに来られたそうです。
納入品があるそうで、それによれば安貞二(1228)年、つまりは鎌倉時代に発願された地蔵菩薩です。
本来は春日四所明神の本地仏、興福寺延寿院の本尊だった事が分かっています。
願文が三通収められていて、その内の二通は比丘尼によるもの、つまりは女性によって発願されています。
そう思いながら見ていると、尊顔がまだ若い女性にも、年端も行かない少年のようにも見えてきます。
上代や中世には、十代で出家する人も多かったようです。
幼い内に落飾する決意とは、いったいどのような理由によるものだったのか、この尊顔を拝していると考えずにはおられません。
例年は3月12日と7月23日、年に二回の開帳しかしないそうですが、今年は特別に、3月10日から4月4日まで公開をしているそうです。
そして7月23日の地蔵会には、新しい衣に着替えられるのが恒例だそうです。
きょう、出家した