忍者ブログ

うめぞー、思案中

明日は歴史作家「うめぞー、執筆の合間に思案中」

HOME Admin Write
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

この何年かは平日に休みを取りそこね、休日に30分近く並んで入場していたような気がするのですが、今年は早々に休みをもらって、昨日に奈良国立博物館に行って来ました。
今年の正倉院展は地味だという前評判のせいか、単に平日だったせいか割合に空いていまして、午前10時過ぎに着いた時には待ち時間15分の表示が出ていましたが、10分少々で入場できました。
ちなみに出て来た13時過ぎには待ち時間0分の表示になっていて、列は全くできていませんでしたが、団体様がエントランスで待っていて、博物館本館の西側の駐車スペースには大型バスが4~5台留まっていました。
団体様とかち合うと、かなり凄い事になるのでは……

今年の目玉は何なんでしょう……『金銀鈿荘唐大刀』でしょうか。
『国家珍宝帳』に寄れば、光明皇后は百口もの大刀を東大寺に奉納したとされていますが、天平宝字三年の十二月、既に五口の刀剣が除物として取り出された事が『出蔵帳』に見えています。
今回はこの『出蔵帳』が展示され、除物の詳細と東大寺、紫微中台(坤宮府)、造東大寺司のお偉方の署名が並んでいます。
ここに書かれている『陽宝剣』『陰宝剣』が、東大寺大仏の鎮檀具として納められている事が判明したニュースは記憶に新しい事です。
東大寺の森本長老のご意見では、もう一口の大刀もこの時の除物として『国家珍宝帳』に記載された、聖武天皇の遺愛の大刀ではないかとの事、なかなかに魅力的なお言葉です。
この後、天平宝字八年の変(恵美押勝の乱)に際し、八十八口が取り出されて殆どが戻されないまま、その後にも何口かが出されたようで、奉納された大刀は殆どがなくなってしまったとの事です。
それにもかかわらず、このもっとも華美な儀仗刀が残されたのは偶然なのか必然なのか……

今回の会場で唯一、待ち時間のある列ができていたのがこの展示品でした。
拵えはポスターなどでも華麗さを誇っていますが、それ以上に私が感激したのは刀身の方。
沸も乱れも殆ど分からない波紋に、反りも微かにある様なない様な切っ先諸刃、ほぼ直刀と言って良い程の上代大刀の最優品です、まさに。
中世の日本刀のような派手さがない分、妙にそそる大刀です……(・_・;)

今回はやけに布関係が多く、復元品も数点出品されていましたが、これがまた凄く綺麗なんですね。
奈良時代ともなると機の幅もかなり広くなるんだなぁと、錦にしても平絹にしても興味深いです。
あとは『東大寺山堺四至図』が圧巻でした、個人的には。
奈良女子大でも東大寺でも、写本だけは何度も見ているのですが、本物を見たのは初めてかもしれません。
『黄熟香』は……相変わらずでかいです( ̄▽ ̄)。o0○
『五月一日経』(最無比経)の誤字脱字の多さにも、チョッと笑えましたか……(^_^;)
更に面白かったのは『沈香末塗経筒』、小口の断面が八角形の被せ蓋式の入れ物の表面に、小さな黒い豆の粒と丁子が貼り付けられているんです。
今ならばクローブ(丁子)なんてスーパーで一瓶500円くらいで売っていますが、この時代は宝石に値するほどの高価なスパイスだったんですね、確か。

今年は地味と言えば地味でしたが、スポット的に面白い物も結構ありました。
伎楽面なども、なかなかに良い面相でσ(^◇^;)
PR
この記事へのコメント
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
文字色
絵文字 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメント
パスワード   コメント編集用パスワード
 管理人のみ閲覧
おまえは誰か
HN:
うめぞー
性別:
非公開
自己紹介:
明日は歴史作家!

カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

お天気情報

-天気予報コム-

最新コメント
[02/06 賀茂史女]
[02/05 うめぞー]
[02/02 賀茂史女]
[01/30 うめぞー]
[01/30 マム]

ブログ内検索

メールフォームです
今日の参考に

Copyright ©  -- うめぞー、思案中 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Material by 押し花とアイコン / Powered by [PR]
 / 忍者ブログ