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私は音楽の素養はほとんどないと自覚しております。ところが楽器は好きなようです。 武道の経験はかなり浅いけど、武具や武器は好きな事も同様だと思っております。
この画像は、橿原市内の遺跡から出土した古墳時代の琴です。箏は十三絃ですが、上古の琴は五絃が多いようです。
この画像の女性は、県立万葉文化館の地階展示室にいます。この人の弾いている琴は六絃です。六絃の琴は現在も演奏されていて、和琴と呼ばれています。しかし、私が実際に見た事のある和琴とは、ちょっと違っています。正倉院にも和琴が残されているので、それをモデルにしているのかもしれません。形だけでなく、弾き方もちょっと違います。
私の知っている和琴は二例くらいしかありませんが、一つはこちらです。春日大社で和舞や東遊の伴奏に使っている琴です。
年の知れる事を申しますと、三十年近い昔からこれを見ています。そのため和琴とは、このように両側を支える人がいて、立ったままで演奏するものと思い込んでいた節があります。
もう一例は橿原神宮の久米舞の伴奏に使われている和琴です。こちらは台の上に置いた楽器を椅子に腰かけて弾いています。
この二例に共通しているのは、琴柱に二股になった楓の枝を使用している事です。そして胴の細くなった側に、龍手という短い脚が付いています。演奏には琴軋(ことさぎ)と呼ばれるピックを使用します。
こちらも春日大社での演奏です。滅多に見る事はありませんが、座って弾く例です。演奏者は安座し、右膝の上に左足を乗せます。その上に龍手を乗せて、膝の上に横たえる形で演奏するそうです。
これらのスタイルは、雅楽の国風歌舞(くにふりのうたまい)が確立する過程で定まって来たものだと思われます。そう考えると、万葉文化館の女性がこの形で琴を奏でていたら、違和感を感じるかもしれません。
琴を弾く人物埴輪の例はいくつかあります。ここでの演奏者は全て男性です。上代、神下ろしをする時、男性は琴を奏で、女性はトランス状態で舞い狂う(仲哀天皇と神功皇后の例を参照?)のだそうです。
天平時代となると、琴は既に神器ではなくなるのでしょうか。あの展示のように、果たして女性が琴を弾いていたのか、類例を思い出せないので何とも申せません。
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